Author Archives: nakagawa

年賀状

年賀状


新年あけましておめでとうございます。
穏やかなお正月をお過ごしになったことと思います。
お正月の一つの楽しみは年賀状ですね。
友人知人の消息や,動向などが一枚のはがきの狭いスペースに凝縮されていて、そこには様々な人生の縮図が息づいているようです。
その短い消息を読みながらいつも驚いたり、喜んだり、この瞬間が年賀状の楽しさだとも思います。
ただ残念なのは、「年賀状終い」のお葉書が何件か今年も届きました。
年齢を重ねれば年賀状書きも結構な労力と集中力が必要ですし、そのうえ最近の郵便料金の値上げは「年賀状終い」に悩んでいる私たち世代にとっては、決断への大きな後押しになったと思います。

年賀状

去年の暮れにも友人から「終い」のお葉書が届きました。
彼女とはそれほど深いご縁ではなかったのですが、彼女のお年賀状は、私にとっては、とても楽しみにしている一枚でしたので、いささかショックでした。
彼女はオペラへの造詣が深く、新国立劇場が落成した直後に、オペラ鑑賞のために傍近くのマンションを購入するほど人生をかけた趣味をお持ちの方です。また新居にお尋ねした時アウトドアー派のご主人様の自転車が、壁にオブジェのように掛けてあったり、驚く私に彼女の言葉が素敵でした!
「私たち!人生の楽しみのために働いているのよ、お金はそのために使うのよ」と、
カッコイイ!なぁ・・と、心の中でまさにブラボー!でした。
彼女とは30年近くお年賀状を交換してまいりました。
ある年のお年賀状です「夏休みに主人とザルツブルグに行ってオペラ三昧してきました。来年も行くぞ!」これを、見たとき、彼女はご自身の道をまっしぐらに進んでいるなぁーと心が震えました。羨ましくもあり、それと同時にがんばれ!の大喝采を心の中で送りました。
なので、毎年お元気かな?今年は何をなさっているのかな?と興味津々で楽しみに彼女の年賀状を手に取りました。ですから、彼女の「終い」のはがきを拝見した時、残念と思いつつも長い間楽しみをいただき「ありがとう!」の気持ちそのものでした。
長い間、素敵な夢を下さって、ワクワクさせていただいて、たくさんの元気を分けていただいて、ありがとう!この気持ちが高じて、すぐ「終い」の彼女のお葉書にお返事を出しました。

しばらくして思わぬ幸せが届きました。
なんと!彼女からツリーのついた豪華な便箋で、素敵なお返事が届いたのです。
その時彼女は「終い」のはがきを出したばかりで、辛くて心が痛んでいたそうです、その様なところにちょうど、私のお葉書が届いたとのことでした。
思いもよらないことでしたが、私のはがきが彼女の心をお助けしたとありました。
私は短い文面の中で彼女への気持ちをお伝えすることは不可能と思い、又気恥ずかしくもあったので、はがきの中でお伝えしたことは、ただただ長い間ありがとうの言葉だけでした。あまり詳細は覚えておりませんでしたのを、彼女が丁寧に私の書いた内容を伝えてくださいました。

「年賀状のご縁は切れましても、どこかでお目にかかれそうな気がいたしますね、その時はお互い元気に幸せを分かち合いたいですね」という内容だったようです。

終いのお葉書からふっと湧き出たような、人への思いやりの連鎖が素敵なご縁となって、また私に舞い戻ってきたように、私自身が思いがけない幸せをいただきました。
彼女のお手紙のなかにある「私の宝物にします」
この言葉こそ、私も彼女のお手紙とともに大切な宝物として取っておきたいと思いました。

年賀状は一枚のはがきのたった一行でも、その人とご縁がつながったと、安心する大きな役割を持っていますが、煩雑な作業で、大変な労力を伴います。
役割と労力とのバランスの均衡がとれなくなった時が辞め時かもしれません。
でも、年賀状を出さなくても。お会いしたければお電話して、メールをしてご縁をなくさないようなそれなりの、努力すればいいんだと考えれば、終いの壁もそれほどのことではないのかもしれませんね。
今年もよろしくお願いいたします!

リボンリースの作り方

リボンリースの作り方


今回はリボンリースの作り方。
期間限定で販売しているリボンリースキットを使って、作り方をご紹介します。
キットがなくても、似たような材料を使っていただければ、作れます。
飾りを変えれば、クリスマス、お正月など、季節ごとに使い続けられますよ。

遠い日盛りの日

遠い日盛りの日


夏の日盛り、ベランダに置いてある観音竹も木香薔薇もゼラニウムもあまりの暑さに息も絶え絶えにぐったりとしおれているかのように見えます。

日盛りの夏を迎えると、遠い日に亡くなった大切な人のことを思い出します。
その人の命が尽きる数日前、私はICUでその人の傍にただじっと座っておりました。
私にできることはそれしかなったから。

その時ふと目に留まったのが、彼の「手」でした。
いつもそばにいて、いつも見慣れた手です。

突然、この手にはもう会えなくなってしまう、という思いが沸き上がってきました。
いたたまれないような思いで、眠ったままの彼の手を取りました。
武骨だけど長いやさしい指、がっちりとした分厚い手のひら、浅黒く、ちょっと傷のある手の甲、強く握っても今はもう握り返しては来ないけれど、この手のやさしさに何度も救われたことを思い出しながら、すべてを覚えておかなければとその手を取り、必死になって見つめました。

しばらくして、仕事を終えたようななんだかほっとした気持ちになり彼の手を元に戻し、深いため息をつきながらブラインドのかかっている窓に顔を向けました。

遠い日盛りの日

ブラインドの隙間からは夏の景色が見えています。
その日盛りの太陽はまぶしく輝いていて景色のすべてを明るく包み込んでいました。
その時、ある否応なしの現実に気が付きました。

ああ!この手は、いえ、この人は、自分の意志で、自分の足であの夏の日盛りの中に出ていくことは、もう決して、叶わないのだと・・・・

その時、この生命力にあふれ、圧倒的な強さをもっている夏の太陽に、私たち二人が一緒に押しつぶされ、気持ちも何もぺちゃんこになるような救いようのない、敗北感が心に満ちてきました。

涙があふれ、あふれ、あふれ、若くして亡くなっていく彼の哀れさと無念さが心を突き破るようにぐさぐさと刺さり、声を出して泣いてしまいました。

年を重ね、今は遠い日になってしまいましたが。
あの時目に映った彼の手は今も忘れないで、記憶の底に沈んでおります。
夏が来て陽炎が揺れるような日が来ると、いつも思い出す切なく悲しい思い出です。

夏のラッピング&ディスプレイ

夏のラッピング&ディスプレイ


ラッピングコーディネーター五味栄里先生が店舗のディスプレイや商品のラッピングについてワンポイントアドバイスしてくれる「ディスプレイ&ビジネスラッピング」シリーズ。
店内のウィンドウや、レジ周りなどのちょっとしたスペースを飾る時のヒントにしてみてください。
今回は夏=ひまわり、夏休み、をテーマにディスプレイしてみました。