Author Archives: nakagawa

【ディスプレイ用】ボリューム感のあるラッピング

【ディスプレイ用】ボリューム感のあるラッピング


「2020リボン」を使って、ディスプレイ用に便利なボリューム感あるラッピング方法をご紹介します。

「2020リボン」とはオリンピックカラーの5色(青・黄・黒・緑・赤)を使ってデザインしたカラフルなサテンリボン。スポーツイベントや商品のディスプレイにいかがでしょうか?

秘湯白骨温泉

秘湯白骨温泉


梅の花が咲き始めると私の誕生日が近づいてまいります。
そのような季節に出かけた小さな旅を綴ってみたいと思います。

ちょうど梅が綻び始めたころ、上高地の近くの白骨温泉に、一泊して帰ってくるシンプルなバスツアーに友人と三人で行ってまいりました。お値段もお安く19,900円!
かの地はサイトで気温-12度。寒さ対策完璧の重武装のいでたちで参加しました。

バスは新宿を出て、途中、山梨のサービスエリアでランチのアツアツの「ほうとう」を頂いたのち、松本までは快晴の透き通るような青空の下、中央高速をひた走りに走って行きます。松本で高速を降り、道はやがて奥へ奥へと山を上り始めます。その頃には小雪がちらつき始め、道路のわきの雪が壁のようにだんだんと高くなっていきます。私達はいつの間にか雪国に迷い込んだような「不思議な国のアリス」…状態?となっていました。

しばらく雪の山道を走った後、大きな駐車場に入りバスが停まりました。すると運転手さんがジャンバーを羽織り、バスから降りてなにやら作業を開始。なるほど、積雪が深い山道のため、タイヤにチェーンを巻き始めたのです。さすがにプロ!20分で作業は終了。鼻と手を寒さで真っ赤にした運転手さんがバスに戻ってきて、再び発車オーライ。
バスはチェーンの「シャリシャリ」という、あの独特な音を響かせてもっと狭く、もっと急な、山道をさらに登って行きます。
対向車線から車が来ると、運転をしていないこちらまで手に汗握るような崖の淵すれすれに、ほんの少しの隙間を残して次々と対向車がすれ違っていきます。写真1そのようなスリル満点の山道は、いかにも山奥深く隠れた「いで湯」の雰囲気を否が応に引き立てて白骨温泉への期待はますます高まるばかりです。

やがて見えてきました!白骨温泉の雪に埋もれた旅館街。写真2「思えば遠くに来たもんだ・・」とステレオタイプのセリフの一言も言いたくなるような景色・・。
斎藤旅館は湯元と名乗るだけに、由緒ある老舗の名旅館です。写真3・4
雪の中で凛とした風格を見せて、不思議な国のアリスたちを優しく抱き留めるかのように腕を広げて待っていました。
中に足を踏み入れれば、そこは、うらうらと心地よい春の暖かさ「いらっしゃいませ!お待ちしておりました。」とさわやかな笑顔と挨拶に迎えられ、旅人達は、靴の紐をようようにほどくのでした。

もうもうとした湯気の中、湯は乳白色で時として水の色と重なり灰青のような美しい色をたたえて、入れば身体にじわーっと効く!効く!
疲れた体がその縛りから解き放たれ、手先、足先から溶けていくような・・
「うーっ・・ゴクラク、ゴクラクじゃぁ!」とのうめき声が、ついつい出てしまう女子三人は既におじさん風情、周りは女子だらけなんだから、まぁ許してください!

「露天風呂はあまりに寒すぎておすすめではありませんが、野天風呂はよろしいですよ」という先刻の仲居さんのお勧めの言葉を尊重して、屋根のある野天風呂に入ることに決めました。外への扉を開け目的の野天風呂までは10歩、たったの10歩なんですが‥これが極寒!…なかなか決心がつかず扉の前でおろおろと数秒。エイヤ!と飛び出すと、氷がぴたぴたと体に貼りつくような冷気に一旦はたじろぎましたが、このままでは凍死!とばかりに「ひやぁー!@×きやあーたすけて!!さっぶーー」と訳の分からない悲鳴を上げて野天風呂に飛び込みました。
死にそうなほどの大騒ぎの後、やっとじわじわとお湯の暖かさが身体に沁みわたってきて、落ち着いて外の夜の闇に目を凝らしてみると、周りを囲む大きな樹の黒いシルエットが風に揺れて、粉雪が渦を巻くように舞い散っています。その雪が時として顔や頭にかかり、火照った肌には、チリチリと針に突かれたような冷たさが気持ちよく、これこそ野天風呂の醍醐味!と、言葉もなく満喫しておりましたところ、先ほど洗った髪に手をやると・・・固い…???‥なんと!髪が凍っているのです!隣にいる友人も頭に巻いているタオルが凍って帽子のように形のまま取り外せる状態で大笑い。
非日常の時間の中のゆったりとした幸せを、笑いの声とともに皆が心に置きとどめたこの思い出が、私の誕生日の素敵な贈り物となりました。

帰りのバスを降り、新宿で友人と別れた後歩く高層ビル街の片隅に、一輪の梅がひっそりと微笑んでいるように咲いておりました。
東京に帰ればまた忙しい日々が始まります。

曲がり角の先

曲がり角の先


少し昔のお話ですが、いずれの国なのかスイスかオーストリアか忘れてしまいましたが、トレッキング仲間4人で山道を歩いていました。すると向こうから来た同じ旅行者に話し掛けられて二言三言話している内に「あの道を左に曲がって、あと3キロほど行くと滝が見えるよ」と、100メートル先の分かれ道を教えてくれました。「きれいか?」と聞いたら「そりゃぁ、もうすごいよ!」というので、それなら寄り道をしようという事になり、その人の言った通り左に曲がり滝に向かって歩き始めました。
ところが道は針葉樹林の中で暗く単調で15分も歩くと、すっかりと疑心暗鬼になって、一人二人が引き返そうよと言い始めました。滝の音は、かすかに聞こえてきてはいるのですが全く姿が見えないのと、見知らぬ人の情報で信用できないのと、外国での不安な気持ちも手伝って、皆立ち止まってしまいました。
すると、中の一人が「それならば、あの曲がったところまで行ってみて、見通しが立たなかったら引き返そう」というのです。道は山肌に沿って続いて200mくらい先が曲がり角になっています。その意見に皆無言で従い、とぼとぼと歩き始めました。
そして先に先頭を歩いていた人が曲がり角を曲がった途端、「うわー!!」という声。その声を聴いた残りの者が一斉に曲がり角に向かって走り出しました。
そこに見えたのは大きな谷を一つはさんで遠く2キロほど対岸に轟轟たる瀑布が落ちている壮大な景色でした。音がかすかにしか聞こえてこない理由もこれでわかりました。谷は足元直下500m位の深さでしょうか、谷底には小さな可愛い村落も2~3か所見えます。氷河が作った大きな谷の雄大な空間と地球の大地に直角に切れ込むように落ちていく、もうもうたる水しぶきを裳裾のようなまとった瀑布…そしてあまりに小さい人間の営む村落。皆その景色のスケールに圧倒されたまま無言でその場に立ち尽くしてしまいました。

先日、40代の男性からご自分の仕事の直面している困難さを聞く機会がありました。
励まして差し上げたい気持ちがあるのですが、専門外の私にはうまい言葉も出でこずただ肯いて聞いているだけでした。若いのに、自分が責任者で日本を背負って立つようなお仕事をなさっていて、外国人の文化も考え方も違う環境で悪戦苦闘している話は胸を打たれました。
「先が見えないのが辛い」とおっしゃっている言葉に、はっと上述の滝の話を思い出しまして、そのお話をいたしました。
仕事をしていて、なかなか成果が出なくて、ただ待つしかない時は、悪く物事を考える方向にどうしても行ってしまうのが人の常。そのような状況の時に足元ばかりを見ないで、その先を見続ける勇気は大切にしないといけないのでしょうね。曲がり角の向こうにきっと何かがある、それを信じ続ける夢を失ってはいけないのだと思いました。ひょっとしたら曲がり角を曲がってもまだまだ暗い道が続いている現実も大いに考えられるのですが、でも必ずびっくりするほどの美しい景色が広がる瞬間は待っている事を信じることが大切なんだと思いました。すべての要素がマイナスの値を持ってしまった時こそ、曲がり角の向こうを考えることが、起死回生の方策なのかもしれません。
私のお話を聞いた後で、彼はにっこり笑って「そうですね」と一言そして白い歯を出してすがすがしく笑いました。
彼は再び海外へ旅立っていきましたが、日本人の代表としてその曲がり角に出会うべく、その先にある何かを信じて、今もひたすら歩いていると思います。

私達も2014年の曲がり角を今まさに曲がろうとしております。
この先に何があるかは一人一人の胸にある夢と希望によってそれぞれ違うと思いますが、2015年の道が明るい光あふれる曲がり角がたくさんあることを期待して今年もその1歩を踏み出したいと思います。

昨年一年ご愛読いただきまして本当にありがとうございました。
心より感謝いたします
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
Happy New Year!

クリスマス小物

クリスマス小物


急に冷え込んできたなーと思ったら、北海道からは初雪の便りが聞こえてきました。
出張した先の青森ではすでに紅葉が始まっていて、台風一過の抜けるような青い空の下、木々が美しい色に町を染め上げていました。写真1青森には暗くなってから到着したのですが、駅前の新町通りには大きなクリスマスツリーが立っていてびっくりしました。写真2今年一番最初に見たツリー?などとその時は、ぼーっと見上げていただけだったので、間抜けな昼間の写真でごめんなさい・・。夜のイルミネーションは青くてなかなかダイナミックなクリスマスツリーでした。

次の日、青森から鰺ヶ沢という海の近くの町へ奥羽本線と五能線に乗り継いで行ってまいりました。写真3・4その長い電車の時間の中で、エッセイの原稿の締め切りが間近に迫って相当に切羽詰っている状況にもかかわらず、(ムムム…)かわいい赤いリンゴの実が長ーくどこまで続くリンゴ畑や刈り取ったばかりの田んぼの風景にぼんやりと心を奪われていました。写真5すると、リンゴの実からはたと!!思いついたのが、クリスマスツリーのオーナメント。仕事でディスプレイやラッピングのアクセサリーに使用する小物やオーナメントを皆様にご紹介させていただいたらどうかな?ちょっと苦しい!・・けど何とかなりそう!少しホッとして東京に帰ってまいりました。
という事で、これからがやっと本題です。

スワロフスキーの飾りのついたまあるいガラス玉

スワロフスキーの飾りのついたまあるいガラス玉です。10年ほど前に購入したのですが、まだ一度も使用する機会が無く大切に奥にしまってある一品です。写真6・7これは、スイスのサンモリッツの薄暗い雑貨屋さんの店の奥で、たった一個ほこりをかぶっているところを見つけました。2,000円くらいのお値段だったと思います。ガラスのため日本まで持って帰ることを懸念して迷っていたら、友人が「あなたプロなんでしょ、気に入ったならどんなことしてでも日本へ持っていくべきでしょう。」とのキツーイお言葉に、素直に従い購入しました。今は素直になってよかったと思っています。

サンタさん

写真8この手のひらに載っているサンタさんは私のお気に入りです。浅草橋の問屋街で見つけました。優しいお顔で結構なハンサムでしょう。ディスプレイの時に最後に彼を置くと、決まり!という感じで,締めてくれる心強い助っ人です。シーズンオフは柔らかい布にくるんで大切にしまってあります。

写真9白いサンタさんはやはり同じ浅草橋で買いました、シンプルな洗練されたフォルムが気に入りました。白い色は他の色に合わせるのが難しいので、今のころ出番はまだありません。

写真10最後のサンタさんは交通標識の上でシルエット姿で忙しそうに走っています。前に置いてある、脱ぎ忘れてクチャクチャのお帽子は同じ素材の平板の発泡スチロールに描かれたオーナメントです。両方ともパリのプランタンで見つけました。楽しい雰囲気が気に入りました。

オーナメント

写真11これはパリのシャンゼリゼにある24時間ショップのモノプリで買いました。モノプリはコスメ、日用雑貨、ファッション、ステーショナリーなどデパートみたいな高級品はありませんが、商品がとにかくそろっている店です。お安くて可愛い品がたくさんあって大好きなお店です。こちらはピンクと黄緑の配色が、キラキラと華やかで、私のディスプレイには常連さんです。実はこれは見た目よりはとても軽い素材で便利しています。

次の鮮やかな色のオーナメントはルクセンブルグの有名な陶器「ビレロイ&ボッホ」のお店で見つけたものです。軽い陶器でできています。あまりに美しいので買ってしまいました。写真12他にも同じ素材で目にも眩いカラフルなオーナメントがおみせのツリーにたくさん下がっていました。全部買い占めてしまいたいとさえ思いました。

この布でできたオーナメントは、雪の降るパリのクリスマスマーケットでみつけました。写真13色がビビッドで手触りも柔らかく、一目で気に入りました。この日の寒さは尋常でなく(この日は池も噴水も厚く氷が張っていました)この温かみを感じるオーナメントにことさら惹かれたことを、手に取るたびにその柔らかい手触りから懐かしく思い出します。

クリマスディスプレイ

最後に今年のクリマスディスプレイをお見せいたします。写真14
注目していただきたいのはシロクマ君達です。お母さんとコグマ3兄弟の4人家族です。一昨年大井町の駅のお花屋さんで見つけました。お母さんがあまりに大振りなので躊躇してコグマ君の2匹だけ買ってきました。事務所に着いて袋から小さい2匹を取り出してみると、その様子が淋しそうで、親子を引き離してしまったことにここでようやく気が付きました。「まだ売れないで残っていて下さい。」・・と、祈るような気持ちで大井町まで引き返しました。そのような思いで手に入れたシロクマ君家族です。出張で持って歩くには大家族で少し大きい荷物になりますが、一家そろってお役にたってくれています。
今年のクリスマスラッピングセミナーには全国津々浦々この家族と一緒に旅をします。
どこかでお会いできたらとても嬉しゅうございます。是非お声をかけてくださいね。
シロクマ一家共々大歓迎です!
では、少し早いですが、素敵なクリスマスをお過ごしください!!

太陽の子、日陰の子

太陽の子、日陰の子


暑い日が続いて仕事以外には外に出る気にもならず、事務所のカーテンも紫外線除けに昼間から下げているような「日陰の子」の私の元に、頭がくらくらするほど暑い日の昼下がりに、その友人は訪ねてきました。
彼女は、つば広の帽子とサングラス、日よけのアームカバー、背中にはリュックといういでたちで、スカーフ代わりのガーゼの手ぬぐいを首からはずし大量の汗を拭きふき玄関に入ってきました。そしてニコーッと笑って「あっついねーーーーー!」と・・・ひとこと。
挨拶もそこそこにまあまあとにかく暑い中、よくおいで下さいましたと、冷房の効いているリビングに案内しました。冷たい飲み物を一息にグーッと飲んで、彼女が人心地ついたところで、初めて「元気そうだね」という私の言葉に、彼女は頷きながら太陽のような笑顔で「ほら・・これ!」と新聞紙で巻いたものを私に差し出しました。
開いたらそこにはハーブとお花‥。すごい!野原をドカンと切り取ってきたみたいなおみやげ!です。それはすべて、彼女のお庭で丹精された青々として美しく元気でぴんぴんしている草花たちでした。
すると彼女が、これとこれ・・といって手早く緑の葉っぱを選り分けて「これがハーブティーの材料。残りは花瓶に活けてね。」と言いました!
早速お花を活けてみました。


ピンクの花の名前はエキナセア、そして確かではありませんが紫の花が蔓花茄子(つるはななす)だと思います。野の花は慎ましく,楚々としていて、華やかさはありませんが,活けることの技巧など一切受け入れない強さと個性があります。どう活けても形になるから不思議・・・お土産の花束に巻いてあった、捨てるにはもったいない素敵な緑の麻ひもを、ガラスの花瓶に飾ってみました。

しばらくは久しぶりのお話に花が咲いて楽しい時間が過ぎていきました。やがてブレイクタイムとなり、彼女がお持たせのハーブでおいしいお茶を作ってくれました。
ハーブはレモンバーベナ、レモングラス、レモンバーム、シナモンマートル、コモンセイジ、ミントだそうです。

  • まずホーローのお鍋でお湯を沸かして(二人分で500㎜ℓ)
  • そこに手で豪快にちぎったハーブを入れます
  • 一煮立ちさせたら火を止めます。
  • ふたをして5分蒸らします。

ふたを開けると、瑞々しい香りが鼻腔の奥に入り日陰の子の体に太陽のエネルギーがじわじわと染み通りました。
色はほんのりとした若草色、だから「器は透明か、白ね。」と!彼女。
器にトクトクと注ぐと小さなさざ波が器の中で揺れて、角度によっては黄金色にも変わる不思議な液体.両の手で器を持って一滴ごと大切に味わいました。もちろんハーブティーは初めてではありませんが、虫や風から守り育てた人がいて、その人がその草を採り自ら煎じてくれたお茶です。何と滋養あふれる滴なのでしょうか・・・。
その美味しいこと。味がしっかりとして香りも味と競うようについてきます。本物ってこういうことなんだなぁと、しみじみおもいました。

土と太陽と水、そして人の丹精で植物は育ちます。
私もベランダに小さな庭を持っています。夕方涼しいときに水をやりながら一つ一つの葉っぱや花と心の中で語らいながら楽しい時間を過ごします。台風のときなどははらはらとその狼藉が痛ましくて,ベランダの庭の方はつらくて見ることができません。
また、新しい蕾や芽を持っているのを見つけた時は、家族が増えたような喜びで代えがたいものがあります。都会のど真ん中の空のありかさえわからないような生活の中で、私の庭は私の心のお休み処です。
おみやげの草花たちは私の庭にはない、自然の香りがいっぱいで力強く野趣の魅力に富んでいました。私のベランダの木々や花たちも一生懸命生きているけれど、本当はこんなところで根や枝を広げるよりも、彼女の庭のようなところでのびのびと生きた方が幸せなんだろうなと、彼女が帰った夕暮れにちょっぴり淋しい気持ちになってしまったのは・・・。
太陽のお使いみたいな彼女のエネルギーとあの本物のハーブティーの仕業でしょうか?