ラッピングコーディネーター 五味栄里先生によるラッピング講座。リボンの結び方、箱の包み方、季節に合わせたラッピングやエッセイなど
昨日、椿山荘のきらびやかなディナーショーで、若きイケメンオペラ歌手5人の歌を聴いてまいりました。そのグループの名前は「レジェンド」、私の友人の息子さんがバリトンでメンバーのお一人になっています。堂々たる声の美しさもさることながら、その凛とした立ち姿、鋭く熱い眼光、自然に醸し出す自信に満ちた覇気、すべてに圧倒されてしまった私でした。彼らがディナーテーブルの周りに来て真近で歌うときには、周りのおば様たちが競って手を出し握手をせがみます。それを横目で見て私には到底できないと思っていたのに・・・・最後には自ら手をだしてしまいました。その力強くそして柔らかい手が触れた時には思わず♥イヤーン♥なんて心の中でヘンな声が漏れてしまい、年甲斐もなく興奮してしまった私でございました。
男性に心惹かれることなんて、めったにない淋しい季節をさまよっている私でございますが、なんと!もう一つ、男性関係で(?)楽しいことがございました。
それは、久しぶりの同窓会での出来事でした。たくさんの人の笑声とにぎやかなおしゃべりがあふれる会場の中を、人をかき分けて歩いていると、知的な雰囲気が漂うひときわすらりとした背の高い人が見えました。忘れもしないあこがれの彼でした。思わず立ち止まり、懐かくその横顔を眺めていると、思いは一跳びに昔に帰ります。
昔、ワンスアポンナタイム、入学したての頃私は全校朝礼で涼やかに今と同じようにすくっと立っている長身の彼を見て、そのカッコ良さにたちまち恋をしてしまいました。彼は成績もよく、スポーツ万能、当然女子にモテモテで、他校の女生徒までが騒ぐ、まるでスターなみの皆の憧れの人でした。
その頃の私はと言えば、ニキビだらけの、もやしのようにやせっぽちな女の子、スターの彼なんて全くの高嶺の花。声をかけることなど夢の夢、彼の教室の前を通るだけでもう充分でした。そして、その淡くレモンの味がする初恋からウン10年、彼に再び会いました。彼は昔の面影の上に男としての齢を重ねていて、やっぱり若いときに素敵だった人は、時を移してもそのまま美しく変わることができるものなんだと感心する事しきりでした。
私の切なる思いが通じたのでしょうか、私の席は彼のま向かえ。
座は盛り上がり、楽しく、周りの人たちも含めて美味しいお食事とお酒を頂きながら、昔の思い出が、ぽろぽろとこぼれるように出てきて、レモン味の恋の思いをそっと秘めながら、自然に、にこやかに、素直に彼とも話ができて幸せな時間となりました。あれほど昔は彼の前では緊張していたのに、その顔を見てもときめくのではなくジーンと心が温かくなる感じ…齢を重ねると恋心もトロトロと暖炉の火のように静かに燃えるのだと、初めて知りました。
やがて、楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、お開きの時間となりました。たまたま私ともう一人の女子が彼と帰る方向が途中まで一緒、夜も更けた赤坂の街を三人で駅までそぞろ歩きということに、あいなりました。駅の入り口が見えたところで彼が「栄里ちゃんは昔、俺のことどう思っていた?」と唐突な質問。私は大きな声で「あなたが好きだった!!」と言いたかったのに、もう一人の女子の存在が気になり「うーん」と心の中で唸るばかり。気のきいた答えの一つも言えればよかったのにと・・・残念な本当に残念な私となってしまいました。
すると彼が「答えが無いという事は、違うやつが好きだったんだね。」と重ねて一言。私はと言えば、またも言葉に窮して便秘の掛け声みたいな「うーん。」と、こればっかり。
このもう一人の女子がいなかったら・・・・と本当に心底!残念に思いました。
駅で別れたその後の数日間は「でも、ここで、もしも、大恋愛に発展したら、ダメよ不倫になっちゃう・・どうするの?」と悩ましく思い乱れてみたり、「ダメダメ私にはもう若さも無い、彼の心を引き留めておく自信もない・・」など全く要らぬ心配をしている私。しばらくはこのたのしい勘違い妄想で、心は溌溂とまるでスキップでもしているようなルンルン気分を味わいました。
まさに初恋万歳と言いたい数日間でした。
レジェンドのイケメンもレモンの恋の彼でも、なんでもいいから、ときどきは氷の中から雪女は出てこないと、心まで凍りついてしまいます。妄想でも何でもわくわくと熱くなる「心のイベント」もたまには必要なことと改めて感じた次第でございます。
昨日の朝、鏡を見たら鼻の下にニキビ…イヤン。
吹き出物? 違いますよ!! 二・キ・ビです。
人生はたった一度しかありません。
どうせ生きていくなら、楽しくやらなきゃ損!損!
この勢いで今年も頑張ります。
新しい年が明けました!新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
五味栄里