ラッピングコーディネーター 五味栄里先生によるラッピング講座。リボンの結び方、箱の包み方、季節に合わせたラッピングやエッセイなど
新しい年を迎え、気持ちも新たにPCに向かっております。
昨年はコロナに明け暮れた一年でしたが今年こそ、その脅威を排除して自由に行きたい所に行き、何の心配もなく人に会いたいものですね。
エッセイは久しぶりで、その間に温めていた話のネタを二つお話しようと思います。
昨年、緊急事態が緩和された時期に大分の温泉にふらりと行ってまいりました。
旅の途中で、久住山系麓の長湯温泉というひなびた温泉郷を見つけました。
ちょっと車を降りて歩いてみようという事になり川べりに沿って行くと、「がに湯」という露天温泉がありました。囲いは全くなく360度どこからも見られてもОKのシチュエーションです。
「よほど自信がないととても入れないネ」などと言いながらぽかぽかと温かい日差しの中を気持ちも開放的になり、のんびり歩いておりました。
そこに「ラムネ温泉」というネーミングの看板を見つけてました。
あまりに可愛いのと、そのロゴマークと今の自分の気分がバッチリとフィットして引き寄せられるように建物の門をくぐりました。
その建物の外観がまたまたユニークで思わずにこりとする雰囲気を持っているのです。
壁は漆喰と焼杉で黒白ストライプになっており、屋根は銅板でそのてっぺんには松の木が生えています。
東大の先生で藤森照信さんというの建築家の作品だとのこと。この先生の建築はジブリの世界に出てくるような可愛い建物が特徴だそうです。
そして、2000円の入湯料と300円のタオル代を払い家族風呂(コロナが怖いので)に入りました。
残念ながら入浴中の写真はご用意がないのでお見せ出来ませんが、このお湯がすごかった!
世界屈指(実際にそう書いてありました)の高濃度炭酸温泉で「バブ」の13倍の炭酸だそうです。だからといってサイダーの中にいるみたいなボコボコの感覚はなく、気が付けばいつの間にか腕に足にお腹に細かな仁丹の銀色の粒粒のような気泡がいっぱい付いていました。丸いほうのお湯は低温で31度なので始めは冷たくて、ぐっと歯を食いしばる感じですが、だんだん慣れてくると冷たさは感じなくなりました。
やがて気泡がいっぱい体中にまとい付くころには、ぽかぽかとしてその上、手足が軽くなる不思議な浮力感が全身を包みました。そうですね、目をつぶるとそのまま眠くなってしまいお湯の中に入っているよりは、まるで雲のベッドで寝ているような感覚でしょうか?
雲のベッドから下りた後は手足の関節の動きがスルスルと滑らかになった感じでした。
あたかもすっきりと体中の憑き物が落ちたみたいな爽快感で、さすが世界屈指の炭酸温泉と感心しました。
「コロナのために長く家に引きこもり我慢に我慢を重ね、ようやく至福の時を生み出す温泉にたどり着いたなぁー」と体と心が嬉しそうに拍手していました。
去年の秋のことです。
夏が過ぎたというのに、温かい日が続いて「なかなか秋が来ないなぁー」なんて言ってたら、急に空がガラスの天井になってキリキリと何処までも青く高く澄み、更に木々の葉が淋しそうにさらさらという音を立て始めると、やっと秋が始まった!と思っている間に・・・なんと秋はせっかち!
あっという間に風は氷の刃となって木々の葉を散らし、街のあちこちに赤や黄色の錦の絨毯を敷き詰める季節になってしまいました。
私は落ち葉が乾いたカサコソという音を立てるのが好きで、ウオーキングの時には子供のようにわざと、落ち葉の絨毯の上を歩くのが大好きです。
ある晴れた日の午前中に、その落ち葉の絨毯の中から
「おーい」という声が聞こえました。
「あれれ?よく見ると、のんきそうな落ち葉くん、私を呼んでくれたの?」
「えへへ・・ぼくもいるよ!ここ、ここ」
「楽しそうだねぇ、君は!何が可笑しいの」
「うっさいぞ‼、だまれ」
「どうしたの?そんなに怒っちゃって、血圧上がっちゃうよ」
「ねえ、わたしさみしいの」
「わかるよ、その気持ち、秋はなんだかさみしいよね」
気が付けば、落ち葉くんたちと楽しいおしゃべり。
皆、口々にいろいろなおしゃべりをしてカサコソ言っています。
サトーハチローみたいに、「小さな秋みつけた」じゃなくて
「小さな声聞いちゃった」でした!
まだまだ仕事が帰ってこないので、最近はのんびりと、老後のような生活を送っているためでしょうか?エッセイも浮世離れしたみたいな空気感で・・・
文章はその人を表すものなんだなと、あらためて小さく驚いております。
2022年もいよいよ始まりました!
皆様にたくさんの幸せなことが舞い降りてきますように。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。