ラッピングコーディネーター 五味栄里先生によるラッピング講座。リボンの結び方、箱の包み方、季節に合わせたラッピングやエッセイなど

暖かすぎる日差しの中で


今は新緑が輝く青葉若葉の季節です。今年の春は、暖かすぎる日差しの中で桜は風の狂乱の中にあまりに儚く散り急ぎ、その桜の終焉と共に春はあっという間に駆け抜けていってしまいました。今回は、この短い春から新緑萌え出るさわやかな5月の季節の中での私ごとですが、いくつかの出来事をご紹介してみます。

4月上旬は毎年新人研修の時期

今年もまだ幼さがどこか残っている新人君達にマナー、ロジコミなどをお教えしました。3日間の講座ですが、楽しく時には厳しく指導いたしましたが徐々に同期としてのチームワーク、部下としてのフォロアーシップなどが身についてきて、その成長が嬉しく最後のお別れの時には私の方が涙してしまいました。
遠い地方や離島から、たった一人でこの大都会に出てきた新人君達が多く「島の人たち皆で僕を送り出してくれたんです。だから先生、僕、頑張ります!」などの印象的な言葉は私の胸を打ちました。社会という大海原に小さな船で漕ぎ出していく彼らの行く末が、幸多かれと心の中で何度も祈りました。
2クール6日間連続のこの研修が終わると呆けたようになり、いつものことですが、しばらくは使い物になりません・・でした。

吉野の桜を訪ねました

新人研修の疲れも癒えた4月中旬過ぎに、春の名残を求めて吉野の桜を訪ねました。ところが桜のピークは早くに過ぎていて、上千本から中千本までは若葉交じりで桜も迫力に欠けて、残念な事態となっておりました。写真1
奥ノ院は満開という事でしたが、高齢の母を伴って居りましたので、とても足を伸ばせませんでした。それでも蔵王堂、黒門あたりを歩いて蔵王堂におわします三体の蔵王権現像様のお顔を拝まして頂きました。こちらは初めてだった私は、青いお肌の仏様は珍しく、その大きさに、ただ、ただびっくりしてしまいました。また大きい牙が御口から出ていて迫力あるにらみの効いたお顔でしたが、怖いばかりではなく、どことなく暖かさがにじみ出ていらしてすっかりと魅了されてしまいました。聞きましたところ、秘仏でたまたま御開帳だったとのこと、これはラッキー!でした。

宝塚歌劇団旧音楽学校

吉野の後、元タカラジェンヌの案内して下さる見学コース「宝塚歌劇団旧音楽学校」に行ってまいりました。写真2・3こちらはまだピカピカに輝いているレッスン室写真4ですが、どれだけの苦労と努力と汗と涙がしみ込んでいるのでしょうか?研究生は廊下や階段は壁際の隅を遠慮して歩かなければいけない厳しい規則があり、その足跡で表面がはがれてしまっている階段を見て写真5、今年の研究生の若さがはちきれそうな写真写真6とは裏腹に、どの世界でも下積みの修業は厳しいものだと、思わず私の教え子の新人君達を思い出しました。彼らは元気でやっているのかなぁ・・ 最後にタカラジェンヌと記念写真写真7。さすが舞台で鍛えている方はポーズの取り方も美しいですね!横の二人はおずおずとポーズをとっておりますが?全然美しくない!!

矢地繊維様の初夏のディスプレイ

最後にディスプレイのお仕事を一つご紹介します。この「五味栄里のラッピング講座」を運営してくださっている矢地繊維様の初夏のディスプレイです。私は季節ごとにこちらにお伺いさせていただき、オフィスのウインドウ側にあるディスプレイ棚に「ラッピングショウイング」をいたします。本社は福井ですが、東京支店は東日本橋にあります。リボンのショウルームを兼ねているオフィスなのでたくさんのリボンが並んでいます。写真8その中から季節に合ったリボンを選びラッピングをします。たくさんの中からこの色!というリボンを見つけるのはこの上ない幸せで、日暮れまでかかるお仕事ですが、大好きなラッピングを一日中コツコツしこしことできる、わくわくするほど本当に大切なお仕事です。
今回は小さな明るいグリーンの葉っぱ、小さな白い花、四葉のクローバー、グリーンのアジサイを使用してリースを作り写真9それにマッチしたラッピングを作って全体のトーンを初夏に仕上げてあります。写真10・11
次の予定は夏のディスプレイですが…さて、何を作りましょうか?今は楽しく思案中です。

日本の火山があちこちで騒いでいますが、何事もないことを心より願っております。

「人間は自然と共生して、折り合いをつけていかなければ生きていけません。一日が無事終わったらそれに感謝してまた次の日を迎える、その繰り返しで無事に日々を重ねて行く、
『ああ今日も無事一日が終わったなー。ありがとうございます・・』という気持ちを忘れないようにしたいですね」

この言葉は津波で被害を受けた大槌町でお聞きした言葉です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。