ラッピングコーディネーター 五味栄里先生によるラッピング講座。リボンの結び方、箱の包み方、季節に合わせたラッピングやエッセイなど

コロナウイルス


いま、地球という大きなくくりの中で生きている私たちは、顕微鏡の世界に生きている極小のコロナウィルスに席巻されて、とことん痛めつけられております。 死者が15万人、感染者が200万人というその感染力の強さは、想像をはるかに超え中国の小さな市場のなかで発生してから、またたくまに地球を征服してしまいました。コロナにとって地球は、思いのほか小さい星だったのでしょう。

コロナという名に違和感があり調べてみると、顕微鏡で見た姿が球状に大きな表面突起があり、太陽のコロナを連想したので名付けたとのことですが、コロナとは太陽の周りの光、又は王冠、花冠という美しい意味なのに何と不釣り合いなことだと、腹立たしくさえ感じました。 もう少しおどろおどろしい名前でもよかったのに・・。 ギザギザウィルス、ジグザグウィルス、とげとげウィルス、とか。

日常の社会活動の殆どが停止してしまった結果その影響が末端にまで、もれなく及ぶのを目の当たりにすると、今にして思うのですが・・・

私たちの生活のディテールはいじらしいほどに、社会の隅々まで手と手をつなぐようにつながっていたことが、しっかりとわかりました。 私達は一人では生きていけない、社会的な生物であったと今更ながら納得しました。 だから、営々と築いてきた秩序がウィルスという生物なのか無生物なのか、その間に位置するという(?)わけのわからない、そして意志を持たない物に、ものの見事にやられちゃったのだと考えると、なんだか悔しい気持ちでいっぱいになります。 予想だにしないことが突然起こるとつなぎあっていた手と手は簡単に解かれてしまう、この現実を見ていると悲しいけれど私達の立ち位置の脆弱さに、今やっと気付かされた気がいたします。

飲食、小売り、生産、イベント、流通などのお金を生み出す経済活動が機能しなくなり悲鳴を上げている一方で(私も同等です)、コロナと戦う医療の崩壊なども叫ばれていて、今やあちこちで大火事が起こっている事が判っているのに、消火がうまく進んでいないようなもどかしい緊急事態です。 我が家の「にわか評論家」たちはテレビを見ながら、PCR検査を増やせとか、外国のようにロックダウンにしろとか、店舗の家賃を肩代わりしろとか好きなことを言っておりますが、言うのは簡単、その重責を担う当事者の方たちの夜も眠れないほどのご苦労をお察しいたします。

とにかく、この難局を乗り越えなければ何も始まりません。 私達にできることは、ウィルスを拡散させないこと、これだけです。 コロナの影響のない基本的なルーティーンがいまはなつかしい。

私は朝起きると、まず検温です。 高齢の母と一緒なので、試験の結果を見るような気持ちで、体温計を見ます。 ちょっと高いなと思うと不安でいっぱいになります。心なしか頭痛もしてきて・・困ったことに相当の神経過敏になっているようですね。朝食も栄養価を考えて、いつもよりもバランスのいいものを一応用意しているつもりです。

普段ならば、そのあとからは仕事がらみの忙しいスケジュールで、バタバタと時間が過ぎていきますが、仕事の殆どがキャンセル状態なのでゆっくりと時間をつぶしていきます。こういう時こそ、普段気になっている棚の掃除とか、書類の片付けなどをすればよろしいのですが、なかなか気持ちが奮い立たず、だらだらと掃除機と埃取りの刷毛を持って気の無い掃除を始めますが、ともするとボーっと外の景色を見ていたり、ベランダのお花を見ている状態で、体は休めていますが、心は死んでいます・・。 勉強もやらなければいけないものがあります。 今日こそ参考書を開こうと毎朝起きた時に思うのですが、一向に参考書を開く気持ちになりません。結局本を読んだり、テレビを見たりと無為な時間が過ぎていき夕飯の支度の時間が来てしまう。この繰り返しです。 コロナ以前は、時間を持て余すなんてもったいない、贅沢な人のいう事だと思っていましたが、完全に私は今その贅沢な人になっております。

いろいろ反省しているうちに、私はにっくきコロナに知らない間に負けてしまっている気がしてきました。 これではいけません! 有り余った時間を利用して、掃除もちゃんとして、勉強もして、お夕飯はすごーく美味しいものを作りましょう!そして夜寝るときに「今日はたくさんのことが出来て、充実していたな、疲れたからよーく眠れるよ!!」と、ニコニコしてお布団の中にもぐりこむことが出来たら最高です。

そうですネ、前を向いていきましょう、普段の生活が戻ってきたらあの時に整理したのでこんなに使いやすくなったとか、あの時勉強しておいたからこんなに仕事が進んだとか・・・何より、あの時ちゃんと外に出ないで、身を守ることが出来たからこの幸せとこの笑顔!!と、しみじみ思えるように、逆境を逆手にとってがんばりましょう。 「良かったね‼やっと収束したね。」と皆で肩をたたきあえるように、私たち前向きにがんばりましょう! コロナに勝つには、今が 今が 大切です。