ラッピングコーディネーター 五味栄里先生によるラッピング講座。リボンの結び方、箱の包み方、季節に合わせたラッピングやエッセイなど
この数か月、テレビや新聞で新型コロナの名前を聞かない日は無く、最近は「with corona」「 after corona」などというお洒落な言葉さえ登場してまいりました。
事の重大さはさておき、とりあえず世の中の流れにぴたりとくる言葉を考えようという方たちの、造語(?)なのでしょうか。
このしつこいコロナとはお別れできそうもないから、うまく付き合っていかなければネ!とコロナに迎合したようで、私はあまり聞き心地の良い言葉とは感じません。
とは言いつつ・・・、私の「with corona」のお話をしてみたいと思います。
私は一昨年から非常勤講師として専門学校の授業を担当しております。
本年の授業は5月早々からスタートのはずでした。
ところがご存知のようにコロナの影響で学校は授業も開始できずに、4月がそのまま過ぎて5月に突入と言う予期せぬ出来事となってしまいました。
この事態に私は「いやはや、どうなるのか」と気を揉んでおりましたら、5月最初の2回の授業は生徒たちに課題を出してレポート提出となりましたが、5月中旬からはいよいよオンライン授業が始まるとのお達しが学校から参りました。
オンライン?…と言われても、動画を撮るのか?実際にオンタイムで流すのか?などと不安になるばかりであれこれと慮っておりましたところ、突然学校からそのオンラインについてのテレビ会議をするというまさかのお達しが来ました。
テレビ会議?!なんやそれ!ですわ。
少し前に友人から女子会をしようという「ズーム」のメールが来たのですが、画像が横になってしまうわ、音声が途切れるわ、私の画像が映らないわ、で結局1時間あれやこれやと友人と苦心惨憺しましたが結局疲れ果ててあきらめてしまった嫌な思い出が、まざまざと蘇ってきて私は完全な拒否反応。
でもお仕事だから何とかしなければと、おろおろしておりましたら、助っ人登場!「先生、大丈夫です。傍にいてお話しできるように操作いたします」と、力強いメールを頂き、もうもう地獄に仏とはこのことだと、その方のメールがキラキラと輝いて神々しく見えたのは決して見間違いではないと思います。
いよいよテレビ会議の当日、助っ人さんのお蔭で無事に学校と映像も音声もつながり、連絡事項なども滞りなくお伝えできました。複数の先生が参加されていましたが、皆さま慣れたご様子でした。やはりお電話やメールと違い映像が伴う事は相手に内容が伝わりやすいものなんだと、改めてその効果に感心いたしました。まさにこれこそ「after corona」だと思いました。自宅で手軽にお打ち合わせができるのですから、これから仕事の仕方は確実に変わっていくだろうと感じました。そう言えば、どちらかの大企業が今後50%の出社率にする方針を打ち立てたと、何気ない調子ですごいことを今朝のニュースでやっておりました。
そのような経緯があり、いよいよオンライン授業のその日を迎えました。
テレビ会議の中でのお話では、私はいつものように授業をするだけでPCの操作は学校がなさるという事でしたので、いざという時は助けて頂けると安心しておりました。
授業は学校からオンタイムで発信して、生徒が自宅で受信する形でスタートです。
私の周りにはPCが4台、操作していただく方が3人いらっしゃいました。
授業中の様子は、正直言うと資料の画像がすぐに出なかったり、生徒の受信がうまくいかなかったり、私の映像の後ろを操作の方が慌てて通ったりと、てんやわんやの時間でした。途中で操作の方と私のやり取りも生徒に筒抜けで「イヤー出ないですね」「ちょっと待ってこれ違う」などとこちらの慌てぶりも伝わっていたのでしょう。チャットで生徒から「ごゆっくりどうぞ」などというメールも届き、いやはや終了した時には操作の方も含め、全員、深いため息とともに終了したことへの安堵感に、ただただ無言になりました。
これに慣れるまでには、学校にもご迷惑をおかけすることも予想されて、私が独り立ちして、家から配信できるようになるには、なかなか棘の道が待っているようです。
本当にできるのかなぁー。
たった数か月の間に、新型コロナウイルスの影響で世の中の在り様が一変してしまいました。歴史に残るほどの大変なことが周りでじわじわと起こっているのだと感じるときには、恐怖心さえ湧いてくる日々です。
見えない敵にワクチンという力技が出来ない限り、私たちは「with corona」「after corona」という言葉に象徴される生き方の変革を模索していくのですね。
この困難な時代にたまたま遭遇してしまい、その成り行きを見届けることになってしまった私たちですが、「with corona」「after corona」などという言葉を捨て去り、「graduation corona」と高らかに胸を張ることが出来るように頑張って、勝利の声を上げたいものです。
せっかくですから、最後は元気にまとめてみました。
・・・とりあえず「with corona」がんばります。